補聴器を使う人/周囲の人に知ってほしいこと
補聴器は難聴に対する医療機器です。
しかし難聴を治療する機械ではありません。(←ここ重要)
つまり効果に限界はあります。
補聴器を使用する上で、使用者と周囲の方に知ってほしいことをまとめます。
昔と同じように聞こえるようにはならない
補聴器は(複雑なことを抜きにして言うと)音を大きくする機械です。
人が音を聞く処理は非常に複雑です。
その全てを補聴器が補えるわけではありません。
聞こえないのを全部補聴器のせいにしないで
もうすでに聞こえが悪い方には想像しにくいかもしれませんが、耳が良くても会話が聞こえない環境は、この世の中にたくさんあります。
駅のホームやパーティー会場などただでさえ会話が聞こえにくい環境だったり、
ボソボソと話して聞き取りにくい人だっています。
それらをすべてまとめて補聴器つけても会話が聞こえないと思わないでください。
補聴器をつけても、前と同じようにはなりません。ましてや前より聞き取りやすくなるのは無理です。
補聴器の音に慣れるのが重要
補聴器は慣れるまでが大変と言われています。
補聴器の音に慣れないために、買ったあとに使わなくなってしまう人も多いです。
ずーっとつければいいと言うわけではありません。
毎日少しずつでもつければ補聴器の音に慣れ、音の生活が豊かになるはずです。
毎日続けるためには、ご家族・周囲の方々のサポートが不可欠です。
音が聞こえないことの影響は、全体のコミュニケーションに及びます。
補聴器使用者だけに負担をかけず、周りの方々も優しくサポートしましょう。
わかりやすい話し方は「ゆっくり。はっきり。」
補聴器をつけても、会話を処理する能力は回復しません。
周囲の方々は、NHKアナウンサーのように、「ゆっくり」そして「はっきり」と話しかけると伝わりやすいです。
話し方のコツを掴むためにも、補聴器販売店に一緒に行ってみるとよいと思います。
補聴器の販売員は、自然とその話し方が身についている方が多いと思います。
ここで気をつけてほしいのが、大きすぎる声を出さないことです。
補聴器で音は大きくなっています。
ご家族の方が聞こえないと思って大きな声で話しかけたのに「うるさい」と言われてイラッときたというのは、あるあるなようです。