補聴器は、使用者の家族のサポートが必要とされる機器です。

ご家族の方にしてほしいサポート内容と、その背景を知るための補聴器の特徴をまとめておきます。

補聴器の購入を検討している方、補聴器を使用している方のご家族には是非参考にしてください。

 

補聴器の特徴

まず、簡単に補聴器の特徴を「できること」「できないこと」に分けてまとめます。

補聴器ができること

  • 一人ひとりのきこえに合わせて、音を増幅する
  • 音声の聞き取りがしやすくなるように、音を処理する

補聴器ができないこと

  • 難聴の治療
  • きこえについて最盛期の状態に戻る
  • 早口で話された言葉の聞き取りの改善

 

補聴器やきこえについて、さらに詳しく知りたい方は、「はじめての方」向けにまとめている記事を参考にしてください。

 

家族からの必要なサポート

補聴器を使うことは、使用者だけの問題ではありません。

ご家族の継続的なサポートが必要です!!!

その理由をまとめていきます。

 

慣れへのサポート

補聴器は、音声の聞き取りを改善するために、また、一人ひとりのきこえに合わせるために、音に対して様々な処理を行っています。

その影響で、耳の良い人が通常聞いている音と比較すると、少なからず違和感を感じる場合があります。

そのため、補聴器を快適に使用するためには、数日〜数週間程度慣れための期間が必要です。

ここで、ご家族のサポートが必要です。

違和感の感じる作業を一人で乗り越えるのは難しいと思います。ご家族が使用をしっかりと支えてあげることが重要です。

ただし!

補聴器の慣れの期間は、ずっと使えば良いと言うわけではありません。

むやみに使用の強要はしないでください。

はじめは1日数十分程度から、徐々に使用できる時間を伸ばしていくのが、慣れ期間の目的です。

1日の使用時間の詳細は、個人差がありますので、販売店のスタッフと相談してください。

 

話しかけ方のサポート

早口な話し方や。ボソボソとした話し方は、誰でも聞き取りづらいと思います。

補聴器を使用してたとしても、それは変わりません。

補聴器を使用している人への話し方のポイントは、2つ!!

「ゆっくり」そして「はっきり」です。

NHKのアナウンサーをイメージすると良いです。

補聴器販売店で働いている人は、そういう話し方が自然に身についていると思いますので、実査に見て聞いてみるのも良いと思います。

 

病院/販売店への同行のサポート

補聴器を快適に使い続けるためには、病院や販売店へ定期的に通う必要があります。
(詳しくは、「補聴器使用の流れ」を参考にしてください。)

補聴器を使用するご高齢の方々は、活発な方が多いので、一人でも移動に不自由しない方が多いとは思います。

そのような場合でも、ご家族と同行した方が良いです。

補聴器の調製者が適切に調整するためには、使用上の問題を明確に知った方が良いです。そのためには、ご家族からの情報も非常に貴重な情報になります。
また、調製者としても、今後の注意点について使用者以外の人に伝えられることで、より安心して調製を行うことができます。

そして、一番のメリットは、補聴器の調製の効果を、実際のご家族からの話しかけで確かめることができることです。
調製の多くが、「声が聞き取りづらくなった」という問題を解消するために行います。
この場合ありがちなのが、「その場では調整スタッフさんの声は聞き取れたけど、帰ったら変わらなかった」という例です。
これは、調整スタッフが自然と聞き取りやすいように話してしまうからです。
それを避けるためにも、調整現場でご家族の声で確認できることが重要です。

 

以上に挙げたのが、ご家族のサポートが必要な代表的な例になります。

これ以外にも、多くの場面でご家族のサポートが必要になります。

大変かもしれませんが、音でのコミュニケーションが円滑になるというメリットは大きいと思います。

 

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