乳幼児の難聴
難聴を生まれた頃から抱えているケースは少なくはないです。特に難聴は遺伝性が高く、難聴者の子どもが難聴であるケースがほとんどです。このように生まれながらの難聴は「先天性難聴」と呼ばれます。
先天性難聴の多くは、音を伝える部位の損傷が原因であって、脳の障害でないことが多いです。つまり、音が聞こえにくいだけで、他の部位にも必ず障害がでるというわけではありません。
先天性難聴であるかどうかは、出生後すぐの聴覚スクリーニング検査にて調べることができます。別途費用はかかりますが、受診したほうが良いとおもいます。
言語を取得するためには、3歳ぐらいまでの時期に多くの音情報を聞くことが重要とされています。上述したように、先天性難聴の多くは音が聞こえにくいだけです。そのため、聞こえるほど大きな音を届けることで、音を聞く能力を育てることはできます。
また、聴覚スクリーニング検査は100%正確な検査というわけではありません。
音の反応が鈍いなと思ったら、すぐに耳鼻科や小児科へ相談しましょう。
難聴への対処法
お子様が難聴だったと知っている場合、焦るかと思います。しかし、焦らず着実にやるべきことをしましょう。
難聴と一言で言っても、症状の程度は一人ひとり異なります。基本的に難聴とは小さい音が聞こえない状態を言います。つまり、大きな音は聞こえるのです。
そして、大きな音を幼児から聞かせることで、言語の発達を助けることができます。
難聴をもった子どもは、音がないことが普通で、聞こえないことで生活が困るという実感はあまりないようです。しかし、実際に集団生活や仕事を行っていくためには、言語を通したコミュニケーションが必要になる場面は多いです。そのためにも、小さいころから言語を使っていくことは非常に需要です。
難聴をもった乳幼児への対策は主に「補聴器」か「人工内耳」の2つです。
どちらが自分のお子様に合うかは、担当のお医者さまと相談しましょう。医師には得意分野あるため、補聴器を使うか人工内耳を使うかは、担当になった医師によって決まるかもしれません。お子様には補聴器が良い、人工内耳が良いなど希望がある場合は、それを踏まえて病院選びをしたほうが良いでしょう。
学校生活
お子様に難聴の対策をした後は、学校のことを考えていかなければなりません。
ここで重要なのが、難聴の子が全てろう学校(聴覚特別支援学校)に通うわけではないということです。通常の学校(通常学級)に入学することもできます。逆に、ろう学校に入りたくても近くに適切な学校がないケースも多いと思います。(そのような場合、引っ越しをするケースもあるようです。)
また、幼稚園〜高校まで全てをろう学校や通常学級に統一する必要もありません。
簡単に、それぞれの特徴をまとめます。
ろう学校(聴覚特別支援学校)
- 磁気ループなど難聴者に対応できる環境、設備が整っている
- 手話や読話など、難聴者に必要な技術が身につく
- 難聴者同士のコミュニケーションが築ける
- 逆に、難聴者以外との接点が少なくなる
- 難聴者向けの就職について詳しい
- 比較的程度の重い難聴者が多い
通常学級
- 難聴者以外とのコミュニケーションが取れる
- 学習ペースが通常の学校と同じ
- 聞こえないということを意識する機会が多くなる
私は、通常学級に通う難聴の子どもと出会ったことがないため、特徴に偏りが出てしまいましたが、どちらにもメリット/デメリットはあります。
難聴の程度、お子様の性格、生活の環境などから、決めてみてください。
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