補聴器の点検
補聴器は精密機器であり、小型ながらもたくさんの部品によって構成されています。一つ一つの部品の品質が保たれているからこそ、補聴器としての品質が保証されます。そのために必要なのが、販売店での点検作業になります。
補聴器の点検作業は、作業料自体は基本的には無料です。定期的な点検があって補聴器の基本性能が担保されるため、補聴器の購入価格に点検費用も含まれていると考えるのが一般的です。
点検作業
作業の種類は、「汚れの確認」と「音の確認」の2種類です。
汚れの確認
補聴器は言うまでもなく、耳に装着する機械です。体に密着しているため、汚れがつくのは当然です。日常的にアルコール綿などで掃除するのが最善ですが、それでも使用者では気付かない汚れがたまっていきます。特に、音の出口や電池ケース内なども汚れが溜まりやすく、しかも補聴器の性能に大きく影響します。「最近補聴器の音が小さくなった」という原因が補聴器の汚れということは本当に多いケースです。
音の確認
音が正しく出ているかの確認は、販売店でしかできません。音がおかしいと感じたらすぐに販売店へ相談しましょう。
しかし、音がおかしいと感じられない場合も多いです。補聴器を落としてしまった時などで急に音が悪くなった場合は分かりやすいですが、徐々に劣化してしまった場合は気づくのは難しいです。そのため、定期的な点検が必要です。
販売店の方は、音の確認では、「最大特性の確認」と「試聴による確認」を行いましょう。
最大特性とは、補聴器の音量を最大に設定した時の周波数特性で、補聴器の性能を示す指標です。この特性が正しく取れない場合は、イヤホンやマイクが故障している可能性があります。
しかし、補聴器が故障しても音の大きさは問題ない場合もあります。問題を確実に逃さないためにも試聴は必ず行いましょう。
補聴器の点検は非常に重要な作業です。
使用者の方は、定期的に販売店に行って、補聴器の点検をしましょう。
販売員・調整者にとっては、点検が最も日常的な業務になるかと思います。着実な点検作業により、お客様が安心して補聴器の活用生活を提供できることを願っています。
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