補聴器には、きこえを改善するための様々な機能があります。

この記事では、それらの機能について紹介していきます。

 

音の増幅機能

補聴器のメインとなる機能です。

主に以下の3つのパラメータを設定します。

  1. 利得   ・・・ 音の増幅量
  2. 圧縮比  ・・・ 大きな音を快適な音量にするための処理
  3. 出力制限 ・・・ 過大音で耳を痛めないための処理

これらのパラメータを、一人ひとりのきこえの程度や要望に合わせて、補聴器の音の特徴は決まります。

 

信号処理による機能

補聴器の最大の目的は、音声聴取の改善です。

そのために、音を大きくするためだけではなく、不要な音や不快な音のカットなど、音情報の処理を行う機能があります。

代表的なものには、雑音を処理するノイズリダクション機能や、ハウリングを抑制するハウリングキャンセラーなどがあります。

それぞれの機能の特徴など、詳細については「補聴器のデジタル機能」にまとめています。

 

マルチメモリ機能

補聴器の内部には、複数の設定を保存できる機種があります。

補聴器を使用する環境や、使う音量などによって、設定を切り替えるのが一般的です。

移動中に補聴器を使うことが多く、音楽鑑賞が趣味の方の設定例はこんなかんじです。

  1. 室内用(自宅やオフィス用)
  2. 屋外用(交通騒音に対策する)
  3. 音楽用(あまり音情報に処理を加えない)

 

メモリの切り替えは、補聴器本体のスイッチや、スマホやリモコンなどの外部機器によって行います。

メーカーにもよりますが、比較的安いオーダーメイド補聴器では、外部機器からのメモリ切替ができず、補聴器本体にスイッチを付ける必要になる場合があります。その場合、補聴器本体にボリュームをつけることができなくなる場合がありますので、ご注意ください。

 

誘導コイル

補聴器は、基本的にマイクで拾った音を増幅する機械です。

すこし理科チックな話になりますが、マイクは空気によって伝わってくる音です。

空気以外に音を伝える道具ってあるのか?と思うかもしれませんが、あるんです。

音情報を電気や磁界に変換して伝えることで、マイクではなく誘導コイルで拾うことができます。

誘導コイルは、聴覚特別支援学校(ろう学校)や演奏会や講演会が行われるホールにて使用できます。

誘導コイルのメリットは、ノイズが少なく、目的の音をクリアに聞けることです。

 

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補聴器には、多種多様な機能があります。
そのため一度には書ききれませんので、随時更新していきます。

 

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