磁気コイルに関する補聴器の調整
補聴器で磁気コイルを使用する際の調整方法をまとめます。
補聴器と磁気コイルについての基礎知識は、こちらの記事を読んで下さい。
設定する際の使用環境
コイルを使う場合は、補聴器を「コイルからの音だけにする」か「マイクからの音を併用する」かを決める必要があります。
使用するシチュエーションによって、設定を決めてください。
設定方法 | 使用する環境 |
コイルだけ | 必要なすべての音情報がコイルで拾えることができる
(例)特別支援学校、ホールでの講演会など |
コイル+マイク | 周囲との会話音や環境音も必要な場合
(例)会議室、介護施設など |
補聴器の条件
1.磁気コイルが搭載している
これは当たり前ですが、磁気コイルがなければ使えません。
2.マルチメモリ機能
コイルを常時使わせるのは不自然です。
切り替え先のメモリをコイルを設定するようにしましょう。
補聴器の特性と機能の調整
利得特性は、補聴器側でマイクとコイルの出力が同じようになるように設計されていので、基本で使っている特性に合わせて問題ないと思います。
ただし、ハウリングキャンセラーやノイズリダクションなどデジタル機能はOFFで構いません。
磁気コイルの場合は、音とは補聴器への伝搬方法が異なります。(詳細は別記事)
補聴器のデジタル機能は、音の伝搬に関する問題に対応しているものがほとんどであるため、磁気コイルを使用する場合は不要です。
また、磁気コイルを使って、ホールで音楽を聞く場合などは、磁気コイルへの音質も考慮したホール設計、集音システムの設計がされていると思いますので、補聴器側でわざわざ付加機能を入れる必要はないでしょう。
磁気コイル機能の点検
補聴器特性測定試験装置のフルシステムには、磁気コイルを発生させて特性を測定する機能があります。
通常の点検のように、周波数特性を測定するのが最善です。
しかし、簡易的にコイルが動いているかどうか調べるためには、アナログの腕時計を近づけてみてください。
時計の秒針に合わせて「カチッ」という音が聞こえます。