集音器 補聴器と同性能まで進化?

Hearing Reviewで紹介されていた記事を訳して、紹介します。

元ページ:Some PSAPs Show Improvements in Hearing Similar to Hearing Aids, Says JAMA Study


PSAPs(≒集音器)は補聴器と同性能に改良されたという実験についての紹介をする。

現在、アメリカでは専門家を通して補聴器を2台購入する場合、平均4,700ドル(約52万円)の費用がかかる。また、アメリカでは補聴器を使っている難聴者は全体の20%以下であると推測されている。PSAPsは低価格でカウンター越しに買えるが、難聴に対応できる機器として認定されていない。しかし、PSAPsの中には、機能的に補聴器と比較できるものもあり、軽度~中等度の難聴に対して適応できるようなものもある。

この記事では、PSAPsと補聴器の比較を行った実験について紹介する。

 

実験に使った機器

PSAPs  30ドル~350ドルの5機種

・補聴器 1910ドルの1機種

被験者

・42人

・平均年齢72歳

・軽度~中等度の難聴

実験内容

・機器を着けた時と着けていないときの音声認識率の比較

 

実験の結果、3機種のPSAPsは補聴器と同等のスコアの上昇が見られた。1機種は少しスコアが上がり、残りの1機種はスコアが下がった。


(解説)

この実験結果は、PCASTの発令を推奨する結果となっています。(PCASTの発令については、「【補聴器の常識が変わる?】アメリカに見る補聴器と集音器の違い」を読んでみてください。)

つまり、自己診断で低価格で購入したPSAPsを使用することで、程度の軽い難聴者は、音声の聞き取りが充分に改善されることを裏付けた実験結果になっています。

今までは、補聴器を使うためには、専門家の技術や経験が必要でした。しかし、機器の技術発達によって、専門家の力に頼ることなく、難聴者の悩みを解決できるようになっているようです。

とは言え、スコアが悪くなるPSAPsもあるようなので、音を増幅する機械なら何でも難聴に効果的というわけではありません。今後は、補聴器とPSAPsという分類が再構築され、難聴者に適した機器が手軽に入手できるようになることが望まれます。

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